基本的に前回と同じです。ただし、引退者などは除き、政権交代後の言動で追加した人物もいます。特に、民主党は大臣(国家公安委員長)として盗聴強化に積極的な発言をした松原仁氏を始め、残念ながら落選運動対象が増えています。また、辻元清美氏(社民→無所属→民主)は民主への逃亡の仕方が悪質なので、今回お薦めから外しました。
野党では平沢勝栄氏(自民)の相変わらずの「活躍」に加え、大口善徳氏(公明)も特筆すべき落選対象です。
埼玉県第五区:枝野幸男氏(民主) 枝野氏公式サイト
枝野氏は盗聴法反対議員として、超党派で盗聴法を研究し、その問題点を追及し続けた一人です。ただし、枝野氏は例外的な盗聴は認める論者なので、当サイトとしては一段劣ります(「盗聴法と犯罪捜査」)。しかし、警察犯罪の発覚を予期した発言など、問題点を簡潔にまとめた上で盗聴法に反対した功績は評価できます。
また、自民による児童ポルノ・買春禁止法改正案の問題点も追及しています。
超党派の議員による「盗聴法ニュース」も御覧下さい。
東京都第八区:円より子氏(民主) 円氏公式サイト
円氏は、民主党で盗聴法反対に最も活躍したひとりです。著書『一人でも変えられる―「生活者主権」、盗聴法をめぐる攻防』にも詳しいですが、安易に自自公と妥協しようとした国対政治に抗し、その内幕を明らかにしてくれました。
しかし、円氏は当時から参議院議員。落選後、今回衆議院に転じたのですが、11月28日の出馬表明という急な立候補。3日後、俳優の山本太郎氏が「新党今はひとり」を立ち上げ、脱原発を掲げて立候補しました(選挙では無所属)。
山本氏は盗聴法と直接の関係が無いとは言え、個人的に応援したい人物です。辛い選挙区です…。
新潟県第五区:田中眞紀子氏(民主)
田中氏は、盗聴法採決で、当時自民所属ながら反対の意志で棄権した二人の一人です(もう一人の栗本慎一郎氏は自由連合移籍、落選後引退)。自民にも反対の声は2、30人あったものの、「派閥からにらまれて選挙が危ない」とほとんどは賛成に回ったといいます。その状況で、貴重な造反をしてくれました。
京都府第一区:穀田恵二氏(共産) 穀田氏公式サイト
穀田氏は当時、共産党国対委員長として、盗聴法反対での野党共闘などに活躍しました。ただし、国対による妥協があったのではないか、という意味で若干評価は下がります。
しかし、共産の最も勝ち目のある京都1区からの出馬という期待も込め、推しとさせていただきます。
沖縄県第二区:照屋寛徳氏(社民) 照屋氏公式サイト
照屋氏は、自社さ連立政権時代、参議院議員。盗聴法担当として、衆院の保坂氏と共に協議に参加し、その問題点を指摘しました。
盗聴法採決では最後まで牛歩で粘り、最後の投票になってしまった人でもあります。
時間の都合で、一部を除き名前だけ…ごめんなさい。ただし、自民、公明、維新、幸福以外の候補は党の公約に鑑み、選挙区事情によっては選択の余地があります。
岩手県第四区:小沢一郎(未来)
山形県第三区:加藤紘一(自民)
栃木県第三区:渡辺喜美(みん)
群馬県第二区:笹川堯(自民)
千葉県第四区:野田佳彦(民主) 首相。もはや盗聴強化のレールに完全に乗ったと言わざるを得ません。
千葉県第十一区:森英介(自民) 元法相。
神奈川県第二区:菅義偉(自民)
神奈川県第六区:上田勇(公明)
神奈川県第十五区:河野太郎(自民)
山梨県第二区:坂口岳洋(民主) 「特にDNA鑑定と通信傍受はとても大事な捜査」であり「我が国のこの三十四件というのは余りにひどい。(少なすぎるの意)」と主張しています(第177回国会 内閣委員会 第2号 平成二十三年三月九日(水曜日))。
東京都第三区:松原仁(民主) 国家公安委員長として、盗聴拡大にしばしば言及(「まつばら仁 ニュースレター」など)。国会では自民党の平沢勝栄氏や、公明党の大口善徳氏らと息の合ったところを見せ、逆に盗聴強化に慎重な小川敏夫氏(当時、法務大臣)との温度差を見せました。
東京都第十七区:平沢勝栄(自民) 警察官僚出身。取り調べ可視化の取引や、暴力団対策など、種々の名目で盗聴強化の主張を続けています。現在の自民党では、盗聴強化急先鋒の論客です。「通信傍受の拡大とかおとりとか司法取引、こういったものをしっかりとこれから日本も外国と同じようにやらなきゃならないと。」(2012/8/7衆院法務委員会)
鳥取県第一区:石破茂(自民)
岡山県第三区:平沼赳夫(維新)
広島県第六区:亀井静香(未来)
山口県第四区:安倍晋三(自民) 5年ぶりに自民党総裁に返り咲き。
高知県第二区:中谷元(自民)
高知県第三区:山本有二(自民)
福岡県第八区:麻生太郎(自民))
熊本県第二区:野田毅(自民)
鹿児島県第一区:保岡興治(自民)
東京:石原慎太郎(維新) 実は盗聴法成立時には、一定の批判をしていました。しかし、たちあがれ日本、日本維新の会共に盗聴拡大に積極的であり、維新代表である石原氏(…と橋下徹代表代行)の意向と判断しなければならないでしょう。
また、これは盗聴法との直接の関係はありませんが、古くは新井将敬氏への選挙妨害、近くは三国人発言、中国人犯罪は「民族的DNAを表示」といった人種差別言動。そして、都知事としては都条例改定による漫画などの表現規制強化と共に、反対派を「世の中には変態ってやっぱりいる。気の毒な人で、DNAが狂っていて。やっぱりアブノーマル」とまたしてもDNAを持ち出して非難しました。いろいろな意味で、問題が多すぎる人物です。
東海:大口善徳(公明) 自民の平沢氏と双璧で、盗聴強化をたびたび国会で主張しています。2012/3/15の衆議院法務委員会では、盗聴強化に慎重な小川敏夫法務大臣に対し、松原国家湖ツ委員長との閣内不一致を衝いていました。
近畿:西村眞悟(維新)
管理人 K・MURASAME
2012/12/15 23:58